下水道は上水道と同じ生活インフラです。人間の命に関わる施設ですから民間ではなく国や市が管理するものだと考えています。
最近、地方自治体の水道事業の運営権の民間企業への委託を推進する動きがあります。自分たちの管理組合について考えてみましょう。
目次
1.下水道施設を市へ帰属
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下水処理場 |
帰属か移管か
帰属か移管かは、使われる意図と文脈によって判断されるべきです。
例えば、8月15日を「終戦」記念日というか、「敗戦」記念日というか。軍部や天皇制政府など戦争推進勢力にとっては、まさに「敗戦の日」です。
しかし、侵略戦争の実態を知らされないまま戦争に動員された日本国民にとっては、肉親や自らの命を奪われる心配がなくなった日でもありました。
「終戦」記念日ということばが一般的に使われているのは、戦争が終わり平和な時代への区切りとなった日を端的にあらわすものだからでしょう。
「帰属」とは、「北方領土は日本に帰属すべき」の帰属です。本来日本のものだったのがロシアに占領されたままになっている。それが日本に戻ってくることです。「移管」とは、日本のものをロシアに管理してもらうことです。
『汚水処理施設』は今まで組合員で管理していましたが『市への帰属』問題が浮上。県は人口が右肩上がりを見込んで公共下水道を拡張する計画でしたが人口が減少するという見込み違いで当初の計画がとん挫。そのでたらめさを下水道を管理する市が被ることになります。
住民投票以前に規約の理解が必要です。理事会には規約を読める理事はいないのですか。
住民投票以前に規約の理解が必要です。理事会には規約を読める理事はいないのですか。
2.汚水処理施設は津市へ帰属させるべき
津市議会
平成29年第4回定例会で議案が審議され議決された。第88号。津市共同汚水処理施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について
新たに津市への帰属を受ける豊ヶ丘団地および善応寺団地の共同汚水処理施設維持管理を行うことなどによる所要の改正。
長谷山ハイツ、殿船団地につづいて上記団地も津市へ帰属することになりました。
市への帰属の話があってかれこれ2年経ちますが、遅々として進まないので組合員の間に不満が広がっています。東日本大震災では129個所、阪神大震災では48個所の汚水施設が使用不能(国交省管轄)。全体では一体どれくらいの数か見当がつきません。
施設が壊滅すれば管理組合の修繕積立金だけでは再建できず、組合員の持ち出しになります。理事会が市への帰属にかじを切ると明確にした方が、組合員の不安は減ります。判断せずにいると、逆にますます不安が増します。決断しないことが責任ある立場と違うのではないでしょうか?
理事会は、汚水処理施設の管理についての組合員合意がないまま住民投票の賛否をを進めることは、「手続き的に逆転」しています。2年も前のアンケートでは「帰属に賛成、組合解散」は約70%です。
しかし4分の3以上でなければそのままです。組合員多数の帰属賛成を無視して管理組合で維持し続けながら、住民投票を進めようとしても、組合員が納得するはずもありません。帰属を決断すべきです。これこそ、大地震が迫る今、現世代が将来世代のために果たすべき責任です。
この問題に対処するには「従来のやり方をいったん白紙に戻す覚悟で見直さないといけません。
もっとも肝心な理事の合意形成もできていないもとでは「帰属の賛否を住民投票で問う」という前提がありません。臨時総会を開くのであれば、まず行うべきは、理事長が示した帰属に関する基本方針や関係者の方針を理事会で徹底的に議論することです。
そして臨時総会の時間を十分にとって理事長と一問一答で質疑するよう求めます。
『資産価値の分を市が払え』?
資産価値といっても貸借対照表には国債・現金しかありません。土地や建物は資産価値として計上されていません。県公社から無償で譲渡されたものですが、所有者はだれですか?登記されてますか?批判にとどまっていてはだめです。
問題は資産価値分を払うかどうかではなく、みんなで維持管理しなくていい安心を優先すべきだということで理事会の意思統一を図ることが先決です。規約に基づいている発言を「議長の思惑で捻じ曲げれば総会の汚点になり」それこそ、将来に禍根を残すことになるのではありませんか?
3.管理組合の総会で通常の決議と異なる点
総会で「市への帰属決議」を行うには、通知の内容や方法、通知の時期等の招集手続き、そして決議の多数決要件が通常の総会決議と異なっています。まず通知の内容では議案の要領を書かなければなりません。
案の要領って決議内容の案を要約したものです。規約に『汚水施設の変更又は処分、建て替え決議である時は、その要領通知しなければならない』。重要な決議の場合は総会前に決議内容を十分知らせて、組合員が事前に検討できるようにするためです。
- 市への帰属の理由、
- 帰属しない場合、施設の効用の維持または回復に要する額とその内訳
- 施設の修繕に関する計画内容
- 修繕積立金として積み立てられている金額。
事前に計画が具体的であることがここまで必要なのです。
組合員を欺けば必ず将来に禍根を残す
「建設的な意見を」?
批判は建設的意見であって悪口ではありません。「ここが間違っている」という批判しているのですから、「間違っていない根拠」を出せばいいのです。
「こうしたらどう?」という提案をしているのです。住民の現状をみんなで変えてゆくには、組合員アンケートで示された組合員の声に応えるべきです。
理事長の基本方針や、それを具体化した関係者の方針も、理事会でいまだに報告も審議も行っていないうえ、組合員から疑問や批判があがっています。理事長ともあろう人が無知にも程があるのではないでしょうか?
ここでは98条。区分所有法に反する行為はすべて無効です。もどかしいというか、規約に反する運営をするなという、あまりにも情けないことを理事会に叫ばなければならない。
4.帰属決議の通知はいつまでに?
建て替え決議と同じく2か月前となります。これは規約によっても短縮ができません。加えて総会の1か月前までに帰属決議について説明会を開くことになります。これも1週間前に招集手続きが必要です。
組合員が話し合い、状況認識を一致させることができれば、必要な修繕ができて、市への帰属も実現すると思います。
管理組合理事は3つの能力、専門性、継続性、公平性が必要だといわれます。その自覚もないなら後進に道を譲るべきでしょう。理事長が総会で見せたのは、規約についてあまりの無知、そして無知であることの自覚のなさです。
「市が管理」。帰属するとなると要件を満たさなければなりません。
5.その帰属要件とは?
- 施設の機器を取り換えること。
- 汚水管と雨水管の誤接続や雨水侵入を防ぐ工事が必要なこと。
しかし、誤接は施工者の責任であって個人が負担するのは筋が違が違います。宅地の所有者が施工者と交渉して被害を与えたことを認めさせる必要があります。配管工事による公衆災害防止のためには、要綱によって守らなければならないことが決められています。
交渉する相手は施工者だけでいいのか?
組合員は一方的な被害者ですから、加害者・起因者としてはまず建て主です。そして施工者それぞれが責任を持つわけで、このことは建設工事公衆災害防止対策要綱の中に定めれています。きちんとした対処をしなければなりません。
個人で交渉し、住民同士も連絡をとりながら管理組合でも理事会を先頭に交渉してほしいところですが、不具合だと判断する技術上の問題や補修の方法などで納得できないかもしれないし、ごまかされそうな気がします。
上下水道の事業には高度な技能を持った人材が不可欠ですが、その人数が減り、現場を知らない行政側の実態もあり、コンセッション方式(施設を市が保有したまま、運営権を民間に売却)が導入された場合、行政側が事業者を適切に管理監督できるのか心配です。
市に相談しても職員はピーク時の3割減っているといわれます。技能職についても同様でしょう。そうした場合、専門家へ応援を求める方法があります。専門委員会を作って有識者に委員になってもらうようお願いする。そして、
上下水道の事業には高度な技能を持った人材が不可欠ですが、その人数が減り、現場を知らない行政側の実態もあり、コンセッション方式(施設を市が保有したまま、運営権を民間に売却)が導入された場合、行政側が事業者を適切に管理監督できるのか心配です。
市に相談しても職員はピーク時の3割減っているといわれます。技能職についても同様でしょう。そうした場合、専門家へ応援を求める方法があります。専門委員会を作って有識者に委員になってもらうようお願いする。そして、
- 現象の確認
- 原因の究明
- 補修方法の確認
- その後の保証など、
きちんと説明を受けて納得させてもらう。
6.まず調査診断
調査とは、現状を調べることで目視が中心。診断とは、その結果を分析して、原因や対応の方法等を判断していくこと。排水管と桝を総合的に調査することができればいいと思う。
そのあとは?
そのあとは?
排水管経路を把握した上で、不具合が見つかれば建て主や施工者に復旧工事を進めさせることになる。この一連のことはかなり専門的なので、町内に専門家がいて責任をもって対処してもらえるのならいいが、いなかったら外部の専門家にに応援を依頼することになります。
技術の分野が建築・土木技術者、交渉面で支える有識者。排水管そのものや桝まできちんと調べさせ、完全な原状回復をすることを保証させます。
施工者は、被害の出る工事・工法を避ける費用を見積もりの中に上積みしなければなりません。その上で万が一被害を与えた時責任をもつわけです。
議員さんに立ち会ってもらって交渉することも考えてみる。修繕したあとで市がチェックします。工事終了後、市から担当者が来てチェックする時の見取り図はエクセルの描画機能で簡単にできます。
点検個所もイチイチ入力してたら大変。予想される修繕の答えを絞ってそこから選択できれば作業も簡単。しかしそこまでやれる理事がいないだろう。やれる人は理事になりたがらない。
下水道は上水道と同じく、人間の命に関わる問題です。施設は年々老朽化しています。老朽化すれば運転が突然ストップするかもしれません。そうなれば下流の住民の家では下水の逆流現象が起こる可能性があります。
お風呂場や洗濯機、トイレから下水道が逆流してくれば使用できません。トイレを我慢することは命に関わることです。そんな大事なことを「投票で決めるかどうか決める」という議題なのですからあきれるばかりです。
お風呂場や洗濯機、トイレから下水道が逆流してくれば使用できません。トイレを我慢することは命に関わることです。そんな大事なことを「投票で決めるかどうか決める」という議題なのですからあきれるばかりです。
ともかく、専門家と相談しながらの手探り。一番大事にしなければならないのは合意形成です。計画を進めるには4分の3の賛成が必要です。アンケートを取り、75%以上の同意を得ます。区ごとの総会を開いて話し合うことです。
「前例主義」からなかなか脱皮できないのが管理組合のような組織です。
必要なのは民営化ではなくて、必要な財源を投じて生活排水を守ることです。世界では民営化後の管理運営水準の低下などから再公営化が進んでいます。民営化推進は、下水道事業の維持・向上につながらず、自治体がリスクはとっても、儲けは民間に回すものです。
7.理事の役員報酬は
給与所得になります。ただし年間20万以下なら確定申告の必要はありません。給与所得には最低でも65万円の給与所得控除額があり、年間65万円までの給与収入であれば所得金額は0です。
会社員などですでに給与収入がある人も、源泉徴収されている他の給与等の金額が年間20万円以下であれば、確定申告しなくてもよいことになっています。
しかし、すでに2か所以上から給与等の支給を受けて、理事報酬を含めると主たる給与以外の給与等の金額の合計額が年間20万円を超える場合には確定申告が必要です。
気を付けなければいけないのは、パート収入等があり、配偶者の扶養範囲ギリギリのところで押さえている場合、役員報酬があることによって扶養範囲から外れてしまうことがあります。確定申告しないことと扶養控除の範囲とは別なので注意が必要です。
気を付けなければいけないのは、パート収入等があり、配偶者の扶養範囲ギリギリのところで押さえている場合、役員報酬があることによって扶養範囲から外れてしまうことがあります。確定申告しないことと扶養控除の範囲とは別なので注意が必要です。
管理組合法人は所得税の現姓徴収をしなければならないか?
法人だから会社と同じで給与を支払うときには現姓徴収義務があります。ただし他に給与所得がない人は「扶養控除等申告書」を提出すれば月8万8千円までは源泉所得税は0になります。
この「申告書」は1か所にしか提出できません。会社員などで既に他のところで提出している場合には、たとえ数千円の役員報酬であっても源泉徴収税額表の乙欄の源泉所得税を徴収します。
源泉徴収した税額は翌月10日までに国に納めなくてはなりません。(事前に納期の承認を受ければ半年ごとの納付もできます。