2019年5月12日日曜日

管理組合総会でこんな議案書ではレベル低すぎて議事進行が図れるのか

総会に出席するのは権利・義務
管理組合総会

総会が迫って来ました。
事前に配布された議案書は、書いてあることが全てムチャクチャで総会の体をなしていないのです。今に始まった事ではないだけに、頭の痛い問題です。


目次


総会の出席率は平均5%、20人に一人。決まって同じ顔触れ。管理に関心がない。理事は規約を読んでいないか、読んでも理解できないのではないか。

現在の管理組合に憤りを感じる人はいても、翌年には出てこなかったりするのです。管理に無関心なままでいると、将来とてつもなく大きな代償を払うことになると危惧しています。誰もが区分所有者として法的な権利と義務を持っているという自覚が必要です。

1.総会の議事進行

事前に配布された議案書には、理事の名前がありません。いったいこの総会は誰が招集したものでしょうか?

区分所有法では総会を開催できる人(招集権者)は、法人の場合は理事(47条9項)です。理事が決められていない場合臨時総会の招集と同じく、所有者の1/5以上で議決権の1/5以上を有する者が、直接、集会を招集することができます。

議長選出

副理事を議長に推薦するなぞ言語道断。規約で議長は理事長と決まっています。理事長以外が議長をできるのは理事長が病気等で欠席した場合のみです。理事会と自治会を混同しているとしか思えません。

理事の選任・解任、理事長(管理者)の選任・解任

議事録には、理事の選任者が掲載されていない。こんな議事録にため息をつくしかありません。

第1号議案 30年度業務報告
6月 理事会
7月 理事会 未収金の回収方法協議
10~11月 理事会
1月 理事会 未収金裁判
2月23日 理事会及び自治会役員と帰属について協議
3月 理事会 未収金の回収、31年度予算編集
帰属移行について打ち合わせ

第5議案
自治会から執行理事を紹介

いったい規約をなんと心得ているのでしょう。
規約で理事長は理事会による理事の互選と決められている場合は、総会で理事長を選任することはできませんし、理事会で決めるとしている業務執行の意思決定事項を総会で直接決めることはできません。

法律では重要な議案つまり3/4以上の決議を要する特別決議の議案については、議題の具体的内容を記載した文書(即ち議案書)の添付が義務付けられています。

  1. 議題・議案に関する修正動議
  2. 議長不信任の動議
  3. 総会の延期・続行の動議
必ず議場に諮り、その賛成を得た上で行わなければなりません。

建替え決議の場合は、反対者の氏名を記録しておかなければなりませんので、誰が賛成し、誰が反対したかを記録しておきます。

2.一番の大仕事といえば計画修繕

とりわけ大規模修繕です。
建物には、必ず経年とともに建物が傷んでゆく「経年劣化」がともないます。荒天や災害など、外的要因によっても劣化が進んでいきます。

修繕工事を円滑に実施するには、管理組合が住民の総意をまとめ上げることが欠かせません。毎月みんなが納めている修繕積立金の大きな出費が絡む問題だからです。

その出費の最大の根拠となるのが「長期修繕計画」。これは管理組合にとって将来の計画修繕と修繕積立金の関係(過不足)を予測するための重要なプランです。

将来にわたって長く使い続けるためには、壊れたところをそのつど直す場当たり的な手入れだけでは不十分。しっかりした修繕計画を立て、円滑に実施していくことが極めて重要です。

管理会社に委託していると、大規模修繕計画もたいてい管理会社の主導で進められていきます。管理会社は積立金がいくらあるかも知っています。

管理組合が保有している積立金額に合わせて工事を企画してくると考えた方がいい。管理組合の方が賢くならないと、積立金をねこそぎもっていかれて、お金がなくなってしまう。

管理会社の中には、まだ十分に使える設備の交換などを持ち掛けてくるところがあります。修理すれば済むはずの設備を「交換した方がいいですよ」と提案してくるわけです。

管理会社は、建物や設備の外観の目視点検を毎月、そして大きな点検を年に1回行っているはずですが、管理会社も業績を求めらる営利企業です。

大規模修繕のような大きな事案を決めるには、紆余曲折があっても、最終的には管理組合の理事会がまとまり、総会で組合員の承認を得ることが必要です。

過程を組合員に公開して、アンケートや説明会を得て、その結果を臨時総会か通常総会に持ち込むという手順を踏みます。


大規模修繕計画における賛成の必要数

地域や法律によって異なる場合があります。一般的には、大規模修繕計画の承認には、総会や組合の規約に基づいて決定される過半数以上の賛成が必要です。一部の地域や法律では、特定の修繕計画に対して賛成の割合をより高く設定している場合もあります。

例えば、3/4以上の賛成が必要な場合もあります。この場合、修繕計画の提案に対して総会で3/4以上の出席者が賛成しなければ承認されません。ただし、具体的な要件は地域や法律によって異なるため、詳細な情報は所在地や関連する法律や組合の規約を確認する必要があります。

私の管理組合の規約で3/4の案件は
37条3
本件汚水施設の変更(改良を目的とし、且つ、著しく多額の費用を要しないものを除く)または処分

つまり、今回雨水対策として3000万円を特別会計から取り崩すので明らかに3/4以上の承認が必要です。3000万といえば年間の管理費合計2000万円を超えるほどの工事費だからです。

これを理事の面々が「議案提出書」で無印のものは「賛成」とみなすといっているのは偽造にあたるのを知らないともいえます。まして、偽造ともなれば理事の即刻解雇および罰金(科料20万円)など知る由もないのでしょう。

私は、もしこんなことがあったら即抗議するつもりでいます。


3.総会が終わったら

(1) 議事録の作成

 
議事録には、開催日時、区分所有者総数、総議決権数、議題・議案の要領、報告事項の概要、重要な質疑応答、採決の結果、賛否の区分所有者数、議決権数を記載した上で、議長並びに出席者が記名押印します。

(2)理事会の開催 [議案]

 
理事長(代表理事)、副理事長及び会計理事等の選任
新旧役員による 事務引継ぎ
理事会議事録の作成及び議長並びに出席理事の記名押印

(3)法人組合の場合は法人代表理事変更登記を法務局に提出(総会後2週間以内)


(4)県税事務所・市区町村納税窓口への代表理事変更届提出


(5)市(区)役所の資源ごみ回収協力団体登録事項変更届出書


(6)区分所有者へ総会決議事項を通知します。

 
理事会での代表理事の選任、各理事の分担決定もあわせて通知します。

(7)自治会への代表理事変更の通知 (地域コミュニティとの円滑な連携のため)


(8)契約損害保険証書の代表者変更手続き


(9)定期保守業者(EV.防火設備、水道の各保守業者)への通知


(10)会計帳簿、議事録等の閲覧請求のための備え置きとその場所の掲示





あとがき

前理事会が議事録やその要点をまとめた議事概要を作成せず、対策がどう議論され決定されたのか検証さえ困難になっていることが判明しました。

議事録が作成されなかったのは長期にわたっています。議事録を作らなかったのは都合の悪い議論を隠すためではなかったのかを含め、徹底検査が不可欠です。

長期にわたって議事録が作成されなかったのは、帰属への対応にあたった中枢的な組織です。議事録がなければ、理事会がどのように工事を把握し、組合員に指示したのかも正確にわかりません。

排水設備を業者に委託しましたが、その過程も検証できません。理事会がとった対策が検証できないのは、今後の排水設備工事に備えるうえでも重大な損失です。

議事録や議事概要は公文書です。公文書の管理についての法律は、「組合員共有の知的資源」であり、理事会は意思決定の過程を跡付け、検証できるよう文書を作成しなければならないと定めています。もともと議事録など文書で記録されていなければ、組合員への情報公開もできません。

理事会はなぜ法律違反を承知で議事録を作成しなかったのか。総会直後だけならまだしも、長期にわたり議事録が作られなかったのは、忙しかっただけでは説明がつきません。議事録を残すことで責任を追及されることを恐れたのではないかなどの疑問を含め、原因と責任が徹底追及されるのは当然です。

議事録自体が作られないといったことまでまかり通れば、それこそ「由らしむべし、知らしむべからず」といった組合員無視の暗黒理事会になります。議事録不作成の問題をあいまいにせず公文書の管理や公開を徹底させることが不可欠です。










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