避難勧告・指示 |
内閣府は、台風や集中豪雨の際の避難に関する世論調査の結果を発表しています。
避難行動をするタイミングを聴いたところ、市町村が「避難勧告」を発令した時と答えた人が77.2%を占め、「自分で判断する」は20%のとどまったというのです。
目次
1.大事なのは早めの避難
防災で大事なのは、命を守ること。昔は「地震だ!火を消せ」でしたがいまは「身を守れ!」です。現在は震度5以上でガスが自動停止します。地震の瞬間にとっさに机の下に入れないこともあります。家具や家電をしっかり固定して、転倒するものがない安全な空間を作っておきます。
地震後外出するときは水道、ガスの元栓を絞め、通電火災を防ぐためブレーカーを落とします。特に自動洗濯機の蛇口は、ふだんから使い終わったら不便でも絞めておきます。選択ホースが抜けて漏水した被害がたくさんあるからです。
トイレ、風呂、流しは排水管の破損がないかどうか確認するまで水を流さないようにします。排水管が壊れていると、排水による漏水被害がでるからです。トイレでの排泄物は凝固剤を使って固めます。
エレベーターにのっていたら地震の時は、すべての階のボタンを押して止まったところで降ります。
避難を始めるタイミングの内訳は
「避難勧告」34.8%
「避難指示」16.2%
「避難しない」1.5%
今後充実してほしい対策は(複数回答)
「避難場所の整備」47.0%
「気象情報」43.6%「適切な避難勧告などの発令」41.7%
避難勧告などの望ましい伝達手段は(同)
「テレビ」73.5%
「広報車」50.8%「ラジオ」40.6%
「携帯メール」32.6%
避難勧告と避難指示、注意報と警報の違いがわかりますか?すぐに答えられる人が何人いるでしょうか。
街の広報車が停電などの情報を伝えるために走っても、スピードが速いとまったく聞き取れないでしょう。地区の会館に連絡しょうにも携帯電話もつながりにくく充電も切れているかもしれません。
なぜ避難しないのか?
その1つは、自然に対する感覚が鈍くなっていることがあげられます。
日本では中小規模の災害が発生しにくくなっています。例えば5mの防潮堤があれば、それを超える津波だけが災害となります。大災害はめったに起こらないので、災害に対する危機意識が薄れてしまうのですね。
豪雨災害の犠牲者
大半が高齢者です。高齢者の犠牲が多いのは、「臨機応変に対応できない」「高齢者が放置されている」からだと思います。
要介護認定の高齢者だけではありません。元気に暮らしている人でも犠牲になっているのを見ると、逃げる行動が適切ではなかったことが考えられます。
こうなると、特別な高齢者だけではなくすべての高齢者を支援する避難方法を考える必要に迫られます。
「逃げ遅れてそのまま犠牲になる」「2階に逃げられず1階で亡くなる」「逃げる途中水路に落ちて犠牲になる」などのケースがあります。こうしたケースを防ぐには、家族同士、近隣同士助け合う計画態勢を、事前に作っておかなければなりませんね。
「早めの避難」「みんなで避難」「近くに避難」「安全に避難」の4原則を具体化します。
「早めの避難」:川が氾濫する前に避難できるように、避難開始の目安を決めておく。
「みんなで避難」:高齢者宅の玄関まで迎えに行って避難します。
「近くに避難」:近くに避難できる場所を見つけておく。
「安全に避難」:ロープなどの装備を用意したり、避難のルールを決めておく。
「自分だけは大丈夫だ」という思い込みがあります。
例えば、非常ベルが鳴ったとします。
それでも自分の命が危ないと思わないので「逃げる」という意思が働かないのですね。
それはなんででしょう?
人間はいつかは死にます。
しかし、通常は自分の死を考えたことないですよね?
これが正常性バイアスというのだそうです。
ところが、
「あなたの余命はあと3年です」と医者から宣告されたら、自分の死を意識するじゃないですか。ストレス過剰になり心穏やかではいられなくなると思います。医学の限界を理解して、自ら病気との付き合い方を決めるしかありません。
ですから正常性バイアスというのは、心穏やかに過ごすためには悪いことではなく当然のことと言えますね。
それももちろんですが、それだけではありません。
『自分の周りの大切な人の命を守りたい』---これです。これこそが被災地で避難できた、避難行動のキーポイントなのです。
自分のことだけなら「何とかなるだろう」と動かない人でも、大切な人を思う時、急いで逃げ行動できるのです。「思いやりのバイアス」ですね。
子どもたちに東日本大震災前にこう話した方が見えました。
「君たちのことが心配でお母さん、お父さんはきっと迎えに来てしまい、危険な目に合う。でも君たちが安全に避難すれば、お母さんたちも安心して逃げられる。だから君たちがちゃんと逃げることは、お母さんたちの命を守ることになるんだよ」
震災の時、その思いが生きたのだと思います。
街では地域のコミュニティがなくなって「思いやりバイアス」が働きにくい面もありますね。それだからこそ地域の人を守ろうとみんなで災害対策に取り組む。そうすることで新たなつながりを作っていけるのです。(東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター特任教授 片田 敏孝さん)
2.自分だけは大丈夫?
「自分だけは大丈夫だ」という思い込みがあります。
例えば、非常ベルが鳴ったとします。
それでも自分の命が危ないと思わないので「逃げる」という意思が働かないのですね。
それはなんででしょう?
人間はいつかは死にます。
しかし、通常は自分の死を考えたことないですよね?
これが正常性バイアスというのだそうです。
ところが、
「あなたの余命はあと3年です」と医者から宣告されたら、自分の死を意識するじゃないですか。ストレス過剰になり心穏やかではいられなくなると思います。医学の限界を理解して、自ら病気との付き合い方を決めるしかありません。
ですから正常性バイアスというのは、心穏やかに過ごすためには悪いことではなく当然のことと言えますね。
問題は、災害時にどうするか?
正常性バイアスを踏み越えて非難するにはどうするか?です。普段から防災知識を持ち、避難訓練をするとか、日ごろから防災意識をもつこと?
それももちろんですが、それだけではありません。
『自分の周りの大切な人の命を守りたい』---これです。これこそが被災地で避難できた、避難行動のキーポイントなのです。
自分のことだけなら「何とかなるだろう」と動かない人でも、大切な人を思う時、急いで逃げ行動できるのです。「思いやりのバイアス」ですね。
子どもたちに東日本大震災前にこう話した方が見えました。
「君たちのことが心配でお母さん、お父さんはきっと迎えに来てしまい、危険な目に合う。でも君たちが安全に避難すれば、お母さんたちも安心して逃げられる。だから君たちがちゃんと逃げることは、お母さんたちの命を守ることになるんだよ」
震災の時、その思いが生きたのだと思います。
街では地域のコミュニティがなくなって「思いやりバイアス」が働きにくい面もありますね。それだからこそ地域の人を守ろうとみんなで災害対策に取り組む。そうすることで新たなつながりを作っていけるのです。(東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター特任教授 片田 敏孝さん)
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