2018年10月30日火曜日

「車中泊」の必備品と疾患リスク(エコノミー症候群・心不全・脳梗塞)への対応⑨

地震災害時の車中泊の自家用車内の写真
地震災害時の車中泊

なぜ避難所へは行かないか?
「乳飲み子は迷惑がられる・・・」
「イビキ・歯ぎしりがひどいのでうるさがられる・・・」

こういった場合、「車中泊」に身を置くことになるかもしれません。夜間だけ車中泊の
家族も多いようですが、避難所の人数に入っていません。救援物資は届かず、連絡も行きません。慣れない環境に健康を損なうリスクとどう向き合ったらいいでしょうか?


目次


避難所を避けて、「車中泊」する人も少なくありません。「建物がゆれるのが怖い」「プライバシーがない」という理由からです。狭い車内でゆっくり足を伸ばせず何日も過ごすことによる血流の悪さからエコノミー症候群で亡くなる人が後をたちません。

1.エコノミークラス症候群を防ぐには


エコノミー症候群

エコノミークラス症候群の発症は女性のほうが多い。トイレに行きたがらず水分をとらないのが一因です。汚い・暗い・怖いトイレが嫌で行かなくなってしまうのです。仮設トイレがいきわたる日数は東日本大震災で3日が34%、8日以上が49%でした。再び大きな地震があるのではという不安から。

エコノミー症候群

正式名は静脈血栓塞栓症。下肢の深部静脈にできる血栓症と、血栓が肺動脈に流れていき、肺動脈の主幹部を閉塞する肺塞栓症を合わせた疾患群です。座り続けるなど長時間動かない状態が続くと血栓を生じやすく、重症化すると命にかかわります。

予防は十分な水分摂取と歩くなどの軽い運動、ふくらはきのマッサージなど。

水分をよくとる

血栓ができると、脚に痛みや腫れ、むくみがおき、詰まった血の塊が肺に飛び肺が詰まる、肺塞栓(はいそくせん)になる。脚の血栓は静かに進み、いきなり肺に飛んで命にかかわるのです。

閉じこもらず運動する

脚にできた血の塊である血栓が、血管を通じて肺に飛び肺の血管が詰まるのを防ぐため身体を動かす。

過度のストレスを避ける

薬を切らさず、高血圧・糖尿病・心臓病など持病の悪化を防ぐ。

車中泊を避け、膝を伸ばして寝る

プライベートな空間で過ごしたい高齢者など要援護の家族がいたりするから。長く同じ姿勢でいる車中泊ではリスクが高まります。

弾性ストッキングを着用する

病院の売店で売っている。災害時の無償的京を働きかける。ふくらはぎのヒラメ筋静脈の太さが9ミリ以上の人は血流が遅く血栓ができやすいのでストッキングを履き予防する。暇があれば運動やマッサージをする。

足の筋肉はちぢんだりゆるんだりしながら血管を圧迫して血液を送りだしています。血が心臓に戻るにはふくらはぎの筋ポンプ作用が非常に重要になります。 歩いたり、足踏みしたり足の運動もとても大切。

弾力性ストッキングは、筋肉が圧迫され、血管を圧縮する力が大きくなり筋ポンプ作用が大きくなるのです。筋ポンプ作用が効率的に働くと血の流れが良くなり、むくみが減り、皮膚の栄養もよくなります。

軽四の場合

朝起きると節々が痛くて、体を慣らしながら出ないと立ち上がれない。若い人でも夏と冬、暑さと寒さの差もキツイ。小さい子ども2人いて軽四だと親は運転席と助手席で座ったままで睡眠をとることになる。

8人乗りワゴン車

シートを倒しても意外とデコボコがきつい。座布団で平たくしても変わりない。厚着をして寝入ってもすぐに目が覚める。寝返りも思うように打てず、明け方はすごく寒い。朝起きて伸びをすると足がつる。寝不足で頭がボーっとする。

キャンピングカー

いま右肩あがりで増えています。キャンピングカーでの旅に目を向け始めているからですが、災害時の便利さに注目が集まっています。停めた場所が宿泊地になる自由、ペットのいる家庭の移動手段としても注目されました。

昔はバカでかい車が多かったのですが今は違ってきています。

バンを改造した「バンコン」

キャブを改造したキャンピングカーの写真
バンを改造したキャンピングカー

トラックに加装備の「キャブコン」
バスを改造「バスコン」
軽トラの荷台活用

軽トラックを利用したキャンピングカー

足を伸ばして寝られる、食料や水を備蓄できるという防災時の便利さでプライバシーも守れるときては「災害時の避難所」として申し分ないかもしれません。装備としては、携帯電話の充電に使用できるAC100Vコンセントと、夜間に車内で過ごすときの照明が必須。

夏季冬季の車中泊
いろいろ車中泊グッズがあります。


避難所の外で避難生活を送る人たちの居場所や健康状態を把握する

車中泊すると情報が入ってこないので、物資の配布、医療支援、エコノミー症候群の予防を知らせるチラシ配布。エコノミークラス症候群予防体操。
  1. 指定避難所以外での避難状況の把握 
  2. 車中泊の人たちの名簿作り 
  3. 医師らによる支援チームの設置

2.車中泊に役立つ身近なもの


車中泊
車中泊


携帯トイレ

  1. 水分を固めるタイプ。自宅で例え水がでたとしても、配水管が壊れている場合があり、汚物が室内に流れ込みます。携帯トイレはトイレの便器にビニール袋をかけ、中にウンコや小便を固める凝固剤か吸収シートを入れて使います。
  2. 準備しておく数量は、家族構成や使用回数と日数で計算。最低1週間分は必要。使用済みの携帯トイレは燃やすごみとして出します。作業員にわかるよう注意書きを添えて。

災害時に携帯トイレは1週間分
携帯トイレは自宅でも必要です



紙おむつ

  1. 駐車場に仮設トイレがあっても、「車から遠い」「夜、トイレに行くのは怖い」という女性も多いでしょう。こんなとき紙おむつを利用します。いつトイレに行けるかわからない場合はいつもはいておいた方がいいです。とてもはき心地いいです。捨てるときは小さくなります。

使い捨てカイロ

  1. 袋の裏に使用期限が表示されていますが、メーカーにより数年の幅があります。カイロは空気に触れると発熱するので、袋をはがさずに保管してあれば期限切れでも使えます。も期限を過ぎれば過ぎるほど劣化するので、1枚試しに使用してみることをお勧め。震災時にはすぐ売り切れます。今のうちに準備しておきましょう。


弾性ストッキング


ヘッドライト


段ボール

  1. 断熱材に最適

レジャーシート

  1. 社内のカーテンがわり

クッション・マット・タオル・衣類

  1. 社内の段差や隙間を埋めて平らにする。安眠のためにはいかに睡眠スペースをフラットにするかが重要です。凸凹がある場合にはエアマットが最適です。空気の出し入れが面倒ではありますが、段差を吸収できるし、使わない時は空気を抜いて収納できます。

ウェットティッシュ

  1. 下水道が壊れるとお風呂に入れません。自衛隊が設置する風呂に入るか、下水道の壊れていない地区の銭湯へ通うことになります。多分満員でしょう。そんな時は、体拭き用ウェットタオルがあれば拭けます。赤ちゃん用のお尻拭きも体をふくのに使えます。


枕・アイマスク・耳栓

  1. 枕が変わったら寝られないタイプの人には必需品です。

粘着テープ・荷造り用紐

  1. 窓の大きさに合わせてテープを切り、サンシェードやレジャーマットを使えば手軽です。目隠しだけでなく断熱も期待できます。側面をグルリと窓ごと毛布で覆うと、外が零度以下でも問題なく安眠出来ます。

電源をとる機器

  1. エアコンのためだけにエンジンをかけっぱなしにするのは良くないし、モラルにも反します。充電式や電池式の小型扇風機の出番です。風量が足りなければ空気を循環させるサーキュレーターが強力です。

  1. 夏なら網戸用の網を窓枠に合わせて切ってテープで止めれば、窓も開けておれます。暑ければ標高の高い山,1000mくらい登れば、真夏でも朝晩は涼しいです。

  1. キャビンの屋根に、ソーラーパネルを設置して、車のバッテリーとは別のサブバッテリーにに充電すればいいです。ソーラー発電の設備がなくても、走行中にシガーラケットからバッテリーに充電すれば、照明やパソコン、スマホの充電くらいはできます。

風呂敷

  1. ノートなど硬いものを頭にのせて巻きヘルメット代わりにする。体に巻いて防寒。バッグの代わりになり、ポリ袋を包めば水を入れても破れない。

クーラーボックス

  1. 食料品保存

保温水筒

  1. 即席みそ汁をカップに入れて、水筒の熱湯を注ぎこむだけで、熱々の味噌汁が食べられます。しかも何時間たっても、水筒の中の温度は下がりません。今まで一食150円ほどしていた味噌汁が、10食で100円強の即席みそ汁になります。

おやつのお菓子

  1. ドライフルーツや野菜チップスなど、災害時に栄養を補えられる。
  2. 人と防災未来センター

      車中泊疾患リスク

      1. エコノミークラス症候群
      2. 心不全・脳梗塞など

      あとがき

      最初から全部の装備を揃えるのではなく、少しずつ始めてみることです。一泊でも車中で暮らしてみて、照明は?トイレは?など、どの程度必要なのか体験できます。荷物の収納馬車が足りないから天井にネットを張るとか、いろんな検討事項が浮かんできて、装備の要不要がはっきりしてくるでしょう。

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      猿蓑温泉(さるびの温泉)は伊賀上野市大山田に開設された比較的新しい温泉です

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