2019年1月21日月曜日

認知症高齢者支援は地域ぐるみでというけれど、新しい生活の目標と認知症後見人

認知症高齢者の通院支援。どうすればいいのでしょうか?
認知症高齢者を地域ぐるみで支援するノウハウ

人間だれしも歳をとります。

住み慣れた地域で、社会から孤立することなく継続して安心した生活を営むことができる
ような体制整備を推進してゆけるでしょうか?

独居が多く、家族も働いていて介護できません。施設も待機者が多く入所できません。在宅介護も切り下げられています。どうすればいいのでしょうか?



目次


1.新しい生活の目標や意味

認知症


60才-----まだ何ともない。介護保険なんておよびじゃないよ。
70才-----ま、今のところは何とか独りでできるが夜中に何度も起きるのでなあ。
75才-----物忘れがひどい。こんなはずじゃなかったんだが・・・。
80才-----あんた誰? ここはどこ? 財布盗まれた!

認知症患者は、自分の歩んできた道やその時々の出来事はスウィッチが入ったとたん忘れますが、「楽しかった」「つらかった」など感情の記憶は残っているといいます。


そこに共感しつつ「障害を前提として、その人の能力を生かして新たな生活の目標や意味をつくりだす」ことが求められます。

  • 同じ目の高さで正面から見る。
  • 優しく話しかける。
  • 優しく触れる。

対話は当事者を主役にし、当事者の人権をどう守り、充実させるかが肝要です。

高齢者は、いくつか病気を抱えているものです。通院支援に介護サービスを利用したり、タクシーを依頼すると費用が1回数千円もかかります。月6~7万円の年金では負担に耐えられません。

近所の人が、通院のための身支度や介助をして、車を運転して送迎するしかないのでしょうか?とりあえず、自治会から地域包括支援センターに連絡しなければなりません。

認知症になっても、最後まで家で暮らしたい。介護施設に入らなくても済む方法がないものでしょうか?

周囲は「施設に入るのも無理はないか」と思っても、本人は「自宅で暮らしたい」と希望するでしょう。ディサービスなどを利用しつつ、ご近所さんが見守ってくれる。

認知症を抱えながら生活できているのは、ディサービスとご近所のおかげです。

自慢話は生きていく活力

認知症は「物忘れ」から始まります。最初は「今言ったこと」を忘れるので生活の中でもめごとが多くなります。「鍵を閉めてね」といったのに開けたままにしていると「そんなのことは言われていない」と猛反発されます。

認知症がさらに進むと最近の新しい記憶から消え去っていきます。「蝶よ花よ」と育てられた人は、自分の名前を旧姓で名乗ることになります。子育てがよい思い出だったひとは、いつもお人形を抱いていたりします。

男性は出世したときの肩書が「部長」だったりすると呼ばれたとき顔がキリリと引き締まったりします。自分にとって華やかだった時代のことを繰り返し、「村で一人だけ女学校に行ったのよ」などと何度もいったります。

周りはいつもの自慢話にうんざりしますが、これは本人が生きていく活力につながっているので、うなずいてあげるだけでも本人は満足感をえて落ち着くのです。


ケアハウス

社会福祉法人の場合は、外の病院にかからなければならないようになったら面倒見てくれないのですね。系列の特養でも受け入れてくれないようです。もちろん待機しても無駄です。いよいよ本当に助けが必要な時に追い出されるのです。

ショートスティ

名前の通り「短い滞在」でしか利用できません。


認知症が疑われる方々と自治会の関係は体制整備さえできていません。個人の問題、家族の問題と考えられているのです。

まず、「気づく」ことです。
ご近所さんが、「あの人認知症なんですって」と承知することです。家族の方も「隠し事」とせず公表することです。恥でもなんでもないのですから。

つぎに、「つなぐ」ことです。
認知症の診断をを受けたら、介護保険サービスの利用につなげることです。困るのは運転免許証です。認知症になったら免許証を返納しなければならないからです。日々の家事はギリギリできるとして、買い物の算段をしなくてはなりません。自治会の後押しが必要です。

そして、「支える」ことです。
今の住まいで暮らし続けるためには、町内のみなさんと一緒に買い物に行くこと、毎日声をかけて生活の様子をみてもらうことです。

最後に、「ともに生活すること」です。
なじみのある団地近くのグループホームに入居し、元気に暮らせるようにします。


今、〇〇さんの霊魂が私たちの周りに漂っています。
先に行って待っていてくださいね。私たちも後で行きますから、向こうでゆっくりお話ししましょう。

あの世なんて存在しないのですが、あの世に思いを巡らせ、とりとめもなく考えを漂わせていると、心がやすらいできます。悲嘆にくれる家族の心を癒し、慰めにもなるのでしょう。死を受け入れ、心が安らぎ、少しでも前向きにモノが考えれるなら、それでいいのではないでしょうか。

2.安心の優しい町へ、地域で見守り訓練。

月1回2時間の「認知症予防教室」。講師は医師、看護師、保健師、栄養士、歯科衛生士、薬剤師、介護職員、地域包括支援センター職員など。

個人の実践と集団の交流が有効。楽しく、ほめあうことでやる気が継続されます。「認知症への対応が間違っていました」などの感想が返ってくるかもしれません。

「みんな誰かの役に立ちたい」と考えているものです。食事作りでは、狭い台所が超満員になるかもしれまえん。朝昼晩の当番を全員出席の会議で決めたいものです。

毎食のメニューは、居住者と職員がメニュー会議で決めます。決まったら居住者が買い物に行きます。家の人がびっくりして喜ぶような変化が生まれるとよいのですが。

悩みは居住者の無断外出でしょうか。子煩悩だった居住者は夕方になると、(子どもにご飯を食べさせる)といって外出したりしそうです。

そんなとき、大牟田市で取り組んでいる認知症の人を見守る模擬訓練を実施したいものです。これをきっかけに包括支援センターとも話し合い、実行委員会を結成。見守り訓練を始めたいものです。

訓練は、年に1回。認知症役とサポーター役の3~4人が1つの班を作り、地域を回ります。認知症役は演技の練習をして出かけます。

以前だったら車いすの人に声を掛けないのに、声をかけて押してくれる人が出てくるかもしれません。認知症の人に優しくなれるということは、すべての人に優しくなれることにつながるのではないでしょうか。見守り訓練の広がりに期待します。(三多摩健康友の会)

折り畳み式カードに降りる予定の停留所を書いて、乗車の際に運転手に渡すと、降りる停留所を忘れても運転手に声掛けしてもらうことができるといいですね。

認知症の人が幾重不明になったと想定し、行政、消防署、郵便局、金融機関、公共交通機関と地域住民の各種ネットワークが総出で「通報→連絡→捜索→発見・保護」の情報伝達のながれも訓練しておきたいものです。    

3.認知症に成年後見人をつけたい

成年後見人


ケアハウスの施設長から「認知症が進んでいるので、成年後見人をつけてほしい」と言われるかもしれません。

成年後見人は、認知症などで本人の判断能力が著しく低下したときに、家庭裁判所が選任します。本人の預貯金などの財産を管理し、必要であれば介護サービスの利用契約や施設の入退所契約を本人の代わりに行います。定期的に家裁に報告をしなければなりません。

家裁では、本人に後見を開始するか、本人を援助する後見人として誰を選任するかを決めます。誰が適任かは、親族の意見も参考にして調査するでしょう。

最終的には裁判所が決めますが、親族から特に異議がなく、その人が適格だと家裁が判断すれば、後見人として推薦された候補者が選任されるでしょう。

親族から異議が出されたり、管理する資産が多額のばあいは、弁護士・司法書士などの専門職の人が就くことが多いと思います。親しい人が後見人になったら「後見監督人」がつくこともあります。

弁護士などが後見監督人に選ばれ、財産管理などの後見事務が適正に行われているか、不正はないかについて調査してくれます。


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