スピーチ |
「ほめるときは人を主語に、注意をするときはモノを主語にする」。
一方、注意する時は『その資料は入力が間違ってるので修正が必要』と対象を人ではなく間違った資料とする。
説明上手になる工夫
目次
1.筋道を立てた説明過程を理解する
1.目的・目標の設定
だれに、なにを、なんのために、どんな効果を求めて説明するのか。
2.情報収集
説明する事柄の内容や相手の性格・好み・説明時間帯などの情報収集。
3.情報切断
説明のための情報を頭の中で、カードを使ってバラバラにする。
4.組み立て
切断された情報を組み立て、話の順序を考える。
5.実行
わかりやすく、相手の反応を見ながら話す。
6.振り返り
説明の良かった点、悪かった点をチェックし反省する。
説明の構成
序論(全体の1割)→本論(全体の8割)→結論(1割)
本論(主題→中題→小題)
例)
これが○○の後援会ニュースです。毎月1回発行されてこれが192枚目です。ということはかれこれ20年近く出し続けていることになりますね。
表は○○さんの寄稿文、○○さんの取り組み、定番の○○、裏は、生活者の声が1人・2人・3人、地域の文芸2人、小学生の詩が1人、政策と演説会・集会報告で3人、経済シリーズと9人と多彩で、A3で収められています。
A3はふつう2つ折りします。2つ折りしたとき、読むとき不便しないように折り目にそっているんですよね。読み手のことを考えてつくられています。
2.主要論点は3つ
説明する人は、自分が知っていることをすべて話そうとする傾向があります。そのために、聞き手は情報過多になり、説明のポイントがつかめなくなってしまうのです。その結果として、説明者の言いたいことが相手に伝わらないことになります。
話の順序
- 時間:起こった出来事の時間の順序に従う。場合によっては後戻りしてもよい。
- 空間:前後左右、上下、遠近などの位置関係に従って話していくとわかりやすい。
- 重要さ:重要度の高い順で、その順序に沿って話をする。
既知から未知へ
初めから知らない話をすると、そのあとの話を聞こうとしない。イメージを描きにくいからです。初めは、よく知っていることから話す。
因果関係
結果を先に話す方が、相手は聞きやすいし、話しても、話すべきことに迷いがない。
一般から特殊
当たり前のことから話し、聞く態勢を作らせる。そのあと特殊な話をする。逆に特殊なことから話す場合は、聞き手に興味を持たせることがある場合。
誇張法の活用
すべてを均等に話さず、興味を引くものを意図的に強調する。
比喩・たとえ話
直喩:「・・・のような」(大根のような足)
隠喩:例えるものと例えられるものを1つにする(大根足)
活喩:人間以外のものを人格化する。(山が笑う)
声喩:(コロコロ石が転がる)(ワイワイ騒ぐ)
数字の活用
数字を使うとイメージを描きやすくなります。イメージでわかるということは、空間的関係を把握することです。大きさ、重さ、作用を観測することです。この観測した結果は数字で表されます。
信頼感
メリット・デメリットの両面を話します。心配性の人には、「大丈夫です。心配はいりません」とはっきり言い、デメリットの印象を薄めます。
調査が十分なことをほのめかすことにより、相手は感心します。
くり返し
先月売り出したばかりのパソコンの売り上げは、非常に好調です。非常に好調というのは、具体的には予定販売数の千台に対して、3千台と2千台も予想を上回っているからです。予定の3割もオーバーするという好調さです。先月売り出したパソコンの売り上げはこのように好調です。
質疑応答
- ハッキリとした口調で相手の目を見て答える。
- 「当たらずとも遠からず」で答える。
- 「あとで答えを伝える」旨を告げる。
- いい加減な答えはしない。
- 間違った答えをしたらすぐ訂正の連絡を入れる。
- 「質問の答えにはなってないと思いますが・・」と断りを入れる。
即席話
適当なことばをカードにし、トランプのように切る。書かれていることばについて決められた時間で話す。副産物で頭の回転が速くなります。
- 1分間話法:自分の体験にもとづいたものがよい。
- 3分間話法:話題を頭の中にイメージし、それを見ながら話す。
- 10分話法:カードを見たら即座に話題をいう。そして話題を続ける。
3.講演の名人になるには
聴衆を退屈させず、興味を継続させるには3つの原則
- 間の取り方が的確
- 声の強弱や明暗を巧みに配置
- 言葉の緩急・遅速が申し分なく調節されていること
内容を練りに練り上げた上で3原則を適用すれば鬼に金棒。口先だけでよいことを喋っても、心の醜さはどうしても隠せるものではない。結局のところ、講演の名人になるには、その前に人間としての品性を磨く必要がある。
4.スピーチの教科書 【佐々木繁範 ダイヤモンド】
どんなに素晴らしいスピーチであっても終わった後に記憶に残っている内容は驚くほど少ない。従ってスピーチ全体を通じて言いたいことを一つに絞り込むこと。、すなわちメインメッセージを明確にすることが極めて重要になる。スピーチはすべての時間をかけて、たった一つのメッセージを伝えるために行うといっても過言ではない。
スピーチは「体験談をお話しましょう」で始めるのが一番いい。講話や説教を聞きたい人はいないが体験談は歓迎されるから。
ジョブズの演説
まず伝えたい3つの体験談を語り、それを総括するメインメッセージを見つけ出す。
- どんな視座や進むべき道が見えてくるか
- 前に踏み出す勇気や自信を与えるには何が必要か
- 問題や悩みの解決に役立つ道具は何か
「こころに従って、愛することに取り組めば人生は上手くいく」
1.オープニング(導入部で聴衆の心を惹きつける)
- 聴衆の関心をつかむ
- 聴衆と心を通い合わせる
- テーマとロードマップを示す
- 主催者と聴衆に感謝の気持ちを伝える
「何が(誰が)どうあるべき」「誰がどうすべき」というように、主語と述語が明確でなければならない。
成功談はともすれば自慢話になるのに対し、失敗談は聴衆をあきさせない効果がある。また、話し手が腹を割ることで親近感がでてくるし、聴き手も素直に自分の経験を思い起こししやすくなる。要するに聴衆にとって学びがあればいいのだ。
- 個人的;個人的な内容を話す
- 意外性;驚かせる
- 目新しさ;新しいことや人が知らないことを話す
- 挑戦;一歩引いて見た視線や、従来と異なる考え方を提唱して戦いを挑む
- ユーモア;ウィットにとんだユーモアをいう。失敗する場合もあるので注意が必要。
2.クロージング(記憶に残る終わり方)
- 基本は「要約」
- 具体的なアクションを示す
- 「当選したらこういう社会を実現する」という理想を掲げつつ「明日投票に行こう」と呼びかける。
- 引用で印象付ける
- 「自分の思いを人の言葉で語る」(引用負けしないこと)
ジョブズはスピーチのボディにおいて、出生の時から癌の手術を受けて回復するまでの50年の人生を「点と点をつなぐ」「愛と敗北」「死について」の3つのストーリーで紹介。「毎日を人生最後の日だと思って生きなさい。そうすれば心から愛することを行う勇気をもつ事ができる。心の導きに従って行ったことはいつか必ず実を結ぶ」というメッセージを伝えた。
3.リハーサル(原稿作りから前日の準備まで)
- スピーチ原稿を用意する
①基本構想、②アウトライン、③フルテキスト、③言葉磨き
ここまで徹底した準備をしておけば、話す内容がしっかり頭に入るので、当日は原稿に頼り切ることなく、聴衆に目を向けたり、その場にふさわしい内容を即興で盛り込んだり、アドリブを利かせる余裕ができるというもの。
①基本構想
スピーチの成否を決める重要ポイント。場の要請と関心をしっかり把握し、メインメッセージを決め、更にはスピーチのテーマとして仮のタイトルを考えおおまかなスピーチの構成を考えてゆく。
メッセージ
- 聴衆に伝えれる事(問題解決の方向性、励まし、道具など)
- メイン・メッセージ(できるだけ1文で)
- スピーチのタイトル(メイン・メッセージを端的にあらわすもの)
- スピーチの構成
- オープニング(聴衆の関心を掴み、心を通わせる工夫)
- ボディ(ポイント掲示型・問題解決型・ストーリー型)
- クロージング(メイン・メッセージを印象付ける工夫)
場の要請
- 場について(趣旨・日時・場所・スピーチの長さ)
- 主催者について(主催者・スピーカーへの期待・接点)
- その他の確認事項(前後のスピーカー・過去のスピーカー・会場の状況など)
聴衆の期待
- 聴衆の特徴(人数・構成比・最重要グループ)
- 関心事項
②アウトラインの作成
・スタンフォード大学卒業祝賀スピーチ
死ぬ前にいかに生きるか(仮題)
~ハングリーであれおろかであれ~
メインメッセージ;
●今日が人生最後の日だと思って、何があろうと自分の心に従って、愛することに取り組め!
オープニング
賛辞
- 世界有数の大学の卒業式に同席できる喜び
- 個人的な話
- 自分にとってはこれが卒業式に最も近い体験
- テーマ・ロードマップ
- 人生で学んだ3つの話
Ⅱボディ
1.ストーリー①「点と点をつなぐ」
(1)背景
- リード大学を半年で退学、その後1年半居残る
- 生みの母は未婚の大学院生、大学卒の養父母を希望
- 当初、弁護士夫婦が引き取る予定
- △しかし男の子が生まれ、女の子がいいと拒否
- ウェイティングリストにあった両親に連絡
- △父は中学卒、母は高卒であることを知り、生みの母は拒否
- △大学に行かせる約束を取り付け、決着
③フルテキスト原稿の作成
きちんとした原稿があれば世の中に広がりやすくなる
いきなり文章でゼロから書き始めるのではなく、アウトラインの各項目を膨らませる形で書き進めた方がよりスムーズに完成させることができる。「ですます調」にする方が本番の話し言葉に近くなる。
一文一文を短めにして主語・述語をはっきりさせる。A4で1200字が3分程度になる。
④言葉磨き
- 短く簡潔に書く
- できるだけ受身形を使わない
- 難しい熟語を使わず中学生でもわかるくらいの平易な言葉で(とても高度な技術)
- 老人にやさしく語りかけるようなイメージで
リハーサル
- 一気に読まず、要所要所できちんと息継ぎする
- 文章と文章の間にポーズ(間合い)を置く
- 手元ばかりでなく、時折目線を上げて聴衆の方を見る
具体的には、原稿を声に出して読み上げながら、適切な場所にスラッシュの息継ぎマークを書き入れる。息継ぎは、聴衆が一度に聴いて理解できるくらいの長さ、意味の塊ごとに行うのがよい。接続語や主語で切るのも効果的。
デリバリー
感動の本質は、聴衆と心が通い合うこと
・聴衆と心を通わせるには聴衆へ愛情を持って話をすればよいのだ。聴衆が抱える悩みや問題を少しでも改善したい、聴衆の喜びを心から分かち合いたい、聴衆の悲しみを共に感じたい、といったように。そうすれば、必ず聴衆は心を開いてくれるはずです。それが感動の本質だ。
そのためには、まず大前提として、きちんと聴衆への愛情をこめて話す内容(アウトライン・原稿)を準備していなければならない。テクニックで取り繕った薄っぺらな話では評価されない。その場を取り繕うことしかできない。言葉では「好き」といっても受けては言葉そのものより、声や態度が物語る意味を重視するということだ。
舞台に上がる前の心の準備
スピーチをする前に、静かなところで心を鎮めることが大切。
まず、聴衆の置かれた立場を思い浮かべる。どんな困難に遭遇しているのか。どんなに苦労してその困難を克服しょうとしているのか。心境・挑戦・感情・期待・不安。
対して、何ができるか、聴衆に方向性を与える。勇気・道具・改善・貢献。一生懸命に考えてきたスピーチの言葉、一言一言を伝えていこうと念じ、聴衆全員と一体になっている姿をイメージする。
目的は、恰好よく思われることではない。メッセージを伝えること。スピーチ原稿はお守り。本番では原稿を離れて自由に話をする。これが最高のスピーチをする秘訣。
声を響かせるには
歌も一種のスピーチ。歌詞にリズムをつけて観客にメッセージと感動を届ける。臍下の丹田まで声を下して相手に届ける話しかた。
目線と身振り手振り
・身振り手振りといったジェスチャーは、意図的にポーズを取るのではなく、まず、心の中を聴衆への思いで満たすことで沸き起こってくるときが、最も自然で美しい。
予期せぬトラブルにどう対処するか
・聴衆にとっては、ゆっくりすぎるのではないかと思えるぐらいのペースで話して丁度良いもの。
・聴衆の反応が薄い場合、1つは聴衆と心が通わせていないケース。聴衆は、自分の心の鏡。自分が聴衆と心を通わせようという意識が薄いと相手もそのような態度で聴いている場合が多い。もう1つのケースは、物事を真剣に聞いてる時、おうおうにして、めをつぶって意識を集中させたり、眉間に皺をよせたり、宙を見つめながら考え事をしていたりしている場合がある。決して興味が無いわけではない。もし、反応がないと話しづらいという場合は、なるべく早いうちに聴衆の中からひとり、自分に好意的だと感じる人を選んでその人に向かって話してみるのがよい。
機材トラブルでスピーチが中断された時
・主催者の気もちを和ませるためのジョークを考えよう。自分自身がかって引き起こした失敗談を引き合いにだすなど、自分をネタにした話をすると、場に対する心遣いを感じてもらうことができ、聴衆とさらに心を通わせることができる。また、スピーチを再開させるときに、それまでの話をいったん要約するなどしておけば、聴衆の関心を改めて惹き戻すことができる。
質疑応答のポイント
誰からも質問がないからといって、スピーチの内容に関心が持てなかったというわけではない。何を聴いていいか考えをまとめ切れていないだけだったり、恥ずかしくて躊躇していたりするだけだったりするする。会場がシーンと静まり返ってしまうと、お互いいたたまれなくなってしまう。
そんな時は、聴衆を代表して司会者から質問をしてもらうよう、事前に打ち合わせをしておくとよい。司会者がいない場合は、話し手自身が、「それでは、良く受ける質問をあげましょう」と前置きして、自分で質問をして答えるといういう手もある。それが呼び水となって会場から手が挙がる可能性が高まる。それでも質問が出ない場合は、もう一度司会者に質問をしてもらうか、自分で質問して答えることを繰り返す。2回行っても質問が出ない場合は、質疑応答を打ち切るというように、事前に打ち合わせておく。というの全員の前ではなく個人的に質問したいという人は意外と多く、質疑が終わった瞬間、話し手の元に名刺交換の行列ができることは珍しくない。
質問が出た場合は、質問者の方を見て傾聴し、しっかりと質問を聴いていることを身体全体で明確に表現する。質問内容を理解できたら、聴衆全員にたいして質問の趣旨を簡単に要約しながら質問を繰り返す。そうすることで、聴衆全員に質問を理解させることが、聴衆の満足を高める上では望ましい。質問者が長々と語り始めた場合は「こういうことでよろしいか」と質問者の趣旨を確認して、答えにもってゆく。
攻撃的な質問には
①質問の意図を掴む—質問者が「提案の実現性」について聞こうとしていることを把握する。
②質問を中立的な表現に言い換える。
例「私の提案の実現性についてのご質問ですね」
③自分が信じている価値/事実を調べる。
例「私は、皆の心が一つになれば、必ず実現できると考えています」
④ポジィテブな面を述べる。
例「この提案を実行することで、わが社の競争力は大きく改善すると考えています」
上記のようなステップを経ることで、攻撃的な質問に対しても冷静な対応が可能となる。それは周りの聴衆にとってもありがたいこと。最後の質問に対しては、答えたあとに、改めてメインメッセージを強調しポジティブな印象で全体を締めくくる。
質疑応答でメッセージの印象が弱まってしまっているかもしれないからだ。最後の最後に印象付けを行うわけだ。
そして最後に司会者からこれで質疑応答をおわります。皆さん、盛大な拍手をお願いします」といった案内が入る。時間を共有した聴衆や、スピーチの機会を与えてくれた主催者に感謝の気持ちを込めて一礼し、ゆっくり、堂々と会場を後にする。
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