2021年5月19日水曜日

管理組合の会計と経理の教科書は主に帳簿として仕訳帳・現金出納帳、複式簿記で

管理組合の経理

ほとんどの人は、管理組合の決算の仕組み、決算書の作成までのしくみってよくわかっていないものです。わたしも、そもそも単式簿記なのか複式簿記なのかの区別さえわかりませんでした。

それらを理解するには、「どういう帳簿をもっているのか?」から調べる必要があります。

そこで今回は、経理の教科書を学んでみようと思います。


目次


まず、「出ているお金と入ってくるお金を管理する」ことですよね?

そして、「日々の取引を帳簿に記入してそれらを集計して一年の総まとめとしての『決算書』をつくりかたを知ることだと思います。

伝票をチェックしておいて、それを帳簿に整理してもらうというようなのは誰かにやってもらえたら助かりますね。いま、それを全部私ひとりでやるとなると、決算になったら寝る間もなくなります。

3月に入ると、集めた領収書で伝票を起こし、帳簿に転記するのが私の仕事になります。そろばんは苦手でも現在はパソコンがあります。計算の間違いなどで、自分の仕事にケチがつくようなことはありません。


1.主な帳簿には

主要簿:仕訳帳、元帳(総勘定元帳)があります。

補助的な帳簿には

補助簿:現金出納帳があります。


管理組合会計は、組合がどんな状態にあり、どのような方向に進んでいるのかを示す、飛行機のコックピット(操縦席)の計器のようなものではないでしょうか。

この"計器”には組合がどこから資金を調達してどこに使っているかを示す「貸借対照表」、どの程度の利益を上げているかを示す「損益計算書」などがあります。

「貸借対照表」では決算日の時点での資産・負債の残高など、「損益計算書」では1年ごとの期間での経営成績などの財政状況を見ることが出来ます。

それでは一時点での貸借対照表と、一定期間での組合のもうけを示す損益計算書との関係はどうなっているでしょうか。

損益計算書にある「純利益」の金額は、貸借対照表では、組合の利益である利益剰余金の中の1項目となっています。損益計算書で示された組合の儲けは、貸借対照表での儲けの蓄積として示されているということです。

この決算書は5月の組合の総会のときに、組合員に向けて発表すればいいもので、税務署に申告する性質のものではありません。いい加減な決算書をもし税務署に提出すれば、ふつうは計理士資格なんてただちに剥奪されてしまうでしょう。


2.営業・経常・純利益とは?

営業利益・経常利益・純利益というのは、企業が作成を義務付けられている財務諸表の中の「損益計算書」で表されている企業の「もうけ」部分です。

損益計算書は、一定期間(四半期や1年)のうちに、売り上げに対してどのくらいの利益があがったかを示します。

売上高から、その商品の生産にかかわる原材料費や賃金などの売上原価を差し引いたものがいわゆる粗利です。ここから、本業にかかるものに限定し、さらに、販売費用や事務所の維持費などを除いたものが営業利益です。

この営業利益以外に本業以外の利益を加えたものが経常利益です。純利益は経常利益から法人税などの税金などを差し引いたものです。管理組合は法人ですが、非営利団体なので「法人税」っていらないのでは?と思ったりしています。どうなんでしょうか。


単式簿記

家計簿のように入ってくるお金と出ていくお金を毎日記録する方法。月末に収入と支出の差額を計算することで、現金の残高を把握できます。

     支出        収入
5月10日 電気 5,000
5月18日 電話 3,000       
5月25日        管理費  120,000
5月の合計   8,000     120,000 

5月末の現金残高
120,000円(収入合計)ー8,000円(支出合計)=112,000円
月末に収入と支出の差額を計算すれば月末の現金残高がわかります。

しかし、この方法では現金の残高を知ることはできても、水道光熱費の総額や預金残高などは、該当する項目を拾い上げて再度計算しないとわかりません。


複式簿記

一つの取引を事実と理由に分けて、「借り方」左側と、「貸方」右側で記録する記入方法。取引の内容は「勘定科目」というあらかじめ決められた項目を用いて表されます。

つまり、帳簿を見れば、月末の現金残高という事実だけでなく、どのような取引によって現金が増減したかという理由がわかるのです。これはすばらしいですね。

       借方      貸方
5月10日 電気  5,000  現金     5,000
5月18日 電話  3,000  現金     3,000
5月25日 現金 120,000     雑収入 120,000 

電気代を払ったという理由がそれぞれ貸方と借り方に示されています。

複式簿記では、1つの取引を事実と理由に分けて帳簿に記入します。借り方と貸方は必ず同じ金額になります。

勘定科目は仕分けの時に用いる項目名で、資産、負債、純資産、費用、収益に分かれます。1年が終わると、決算の為に必要な「貸借対照表」や「損益計算書」を作ります。

貸借対照表は期末時点での財務状況を明らかにしたもの。損益計算書は1年間でどれくらいの利益が出たかを示すものです。


資産

現金、預金、売掛金、仮払金などの財産。増加したら借り方へ、減少したら貸方へ記入する。現金で受け取ったという事実は借り方、その理由となる売り上げは貸方。資産には有価証券、建物、土地、10万円以上のパソコンなども入る。


負債

資産がプラスの財産としたら、負債はマイナスの財産。だから資産の仕分けとは、借方と貸方が逆になる。「買掛金」という負債が増えた事実は貸方、その理由となる「仕入れ」は借方に記入する。


純資産

資本。設立したときの出資金と利益の蓄積。
資本金(設立したときの出資金)、資本準備金(出資者から払い込まれて資本金として計上しなかった分)、繰越利益剰余金(前期から繰り越された利益の累計)、利益準備金(積み立てることが義務づけられている法定準備金)


収益

50万円売上て売掛金が発生した仕分けは、売上の50万円を貸方、売掛金を借り方に記入します。受取利息、受取配当金、雑収入などです。仕分けの勘定科目は「売上」だけど、損益計算書の中では「売上金」と表記される。


費用

仕入れ、給与、交通費、会議費など。費用が発生したら借方へ、減少したら貸方へ記入します。収益の記入のしかたとは反対になります。役員報酬、支払手数料、通信費、水道光熱費、租税公課、保険料、雑費など。

勘定科目では「売上」「仕入」など送り仮名を省略して表記する決まりです。


3.現預金や経費の管理

金庫のお金を毎日確認し、帳簿上の残高と実際の残高を1円単位まできっちり合わせなければなりません。

「現金出納」とは、現金の出し入れを記録することです。帳簿上の残高と、実際の金額を一致させること。現金を渡す際は、伝票や領収書との引き換えを原則とし、そこに書かれた金額や内容を確認します。


現金出納帳を作成する

現金の取引は仕訳帳や元帳に記録しますが、取引内容を明確にするために現金出納帳にも記載します。現金出納帳を作ることで、いつ・どのような理由で入金や出金があったかわかるからです。

現金出納帳が「補助簿」と呼ばれるのは、現金の収支だけを記録して「主要簿(仕訳帳・元帳)」の情報を補うからです。

切手代や交通費の清算など、日常的に発生する少額の支払いに充てる現金を「小口現金」といいます。


経費の精算

現金出納の業務の中で一番多いのは、理事がたてかえた「経費の精算」です。経理担当者は領収書や経費精算書の内訳や金額を確認し、その金額を理事に返します。

会計は「お金の計算や勘定」、経理はその中に含まれる特定の業務、「伝票の作成」「帳簿への記帳」「売り手に対する支払い」「税金関係の各種申告」などです。

組合は「賃借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」を作成します。これらの書類は「財務諸表」と呼ばれ財務会計に欠かせないものです。

領収書がもらえない経費の精算

領収書がなくても、仕事に関した費用であれば経費として認められます。例えば、領収書が発行されない電車賃やバス代などです。その場合は、支払いの明細をしるした清算書などが領収書の代わりになります。

交通費精算書

日付・訪問先・乗車区間・金額などを明記した書類にまとめ、これを領収書の代わりとします。清算が済んだら受領した人に印をもらいます。


消耗品・備品

消耗品:使用可能な期間が1年未満、または取得価額が1つにつき10万円未満。
備品:使用可能期間が1年以上で、取得価額が10万円以上。固定資産として資産にふくみます。1年未満なら備品ではありません。


現金が合わないとき

原因が明らかになるまで、差額を「現金過不足」という仮の勘定科目で記入し、帳簿の金額を実際の現金に合わせておきます。その際は理事長の許可を得なければなりません。



4.決算書を作成する

期末になったら1年間の経営成績や財政状況をまとめます。その手続きを「決算」といいます。

貸借対照表

期末時点での組合の財政状況を明らかにしたもの。貸借対照表と損益計算書の当期利益(損益)は一致します。


この3つで分かれています。

負債:銀行などから借りたお金。かならず返さなきゃならない。買掛金、未払金
純資産:組合員から集めたお金。返済義務はない。
資産:お金を使っている形。現金・売掛金・商品・未収金・建物・土地・備品

資産は2つに分かることができる。
流動資産:現金、売掛金、商品、未収金
固定資産:建物、土地、備品

負債も2つにわけられる。
流動負債:1年以内に支払わねばならない債務。
固定負債:支払期限が1年以上。

純資産
資産から負債の金額を差し引いて残った、正味の財産

自己資本比率=純資産÷資産
30%を上回っていればOK!

左と右は必ず一致(バランスシート)


前受金

「内金」や「手付金」のことで、前受金を受け取る時点では製品やサービスをまだ提供していないため、「預り金」的な意味です。仮にキャンセルとなった場合は前受金を返還しなければならないため、「負債の部」の流動負債に分類され、製品やサービスの提供後には売上などの勘定科目に振替えられます。


損益計算書

貸借対照表に比べてわかりやすいです。どれくらい支出があったか、どれくらいお金が出ていくのかといったことについて、プラスマイナスで計算するものです。会計期間における経営成績を表したものです。

資産・負債・純資産のグループは貸借対照表、費用・収益のグループは損益計算書に反映される。ほかにキャッシュ・フロー計算書があります。会計期間における現金の出入りを表します。


キャッシュフロー計算書は財務諸表のひとつですが、現金出納帳は帳簿のひとつということで、この2つは根本的に違います。キャッシュフロー計算書は期末に損益計算書、貸借対照表を作るときに一緒に作成しますが、現金出納帳は日々現金の出し入れがあれば記帳していくものです。

損益計算書


スライドしてみると



損益計算書に関しては、管理組合の場合関係ないですね。売り上げや販売、営業外費用とか法人税とか関係ないですからね。傾斜を見るだけで利益率がわかります。傾斜が低いほど利益率が高くなります。

営業利益率の目安は4~5%です。
当期純利益率の目安は3~4%です。
粗利益率は業種によってまったく異なります。比較するなら同じ業種でないと意味がありません。


キャッシュフロー

キャッシュフロー


営業活動によるキャッシュフロー
投資活動により、将来の利益・資金の獲得。
財務活動により営業活動、投資活動を支える。

現金の流れを追うだけで会社の状況がわかる。

プラス
営業                    投資                   財務
本業が順調        守りの経営            導入成長期

マイナス
営業                    投資                   財務
本業が苦戦        攻めの経営             成熟衰退期                       


ベンチャータイプ

ベンチャータイプ





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