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南海トラフ巨大地震に備える |
北海道で地震、近畿を襲った台風21号、西日本の豪雨。日本各地で多数の住民が不自由な生活を強いられています。大阪では地震の後に台風が追い打ちをかけいまなお避難所暮らしという人々も少なくありません。
目次
1.座佐の浜
この規模の津波は繰り返し起きています。宝永地震(1707.M8.6)が最大とされてきましたが、それを超える津波で運ばれた砂の層が三重県南伊勢町の座佐池と大紀町の芦浜池で発見されました。国の想定外の大地震が起こる可能性があります。地震対策の見直しに迫られています。
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南伊勢町「座佐の浜」 |
座佐の浜。
陽光が滑り込んでいて砂利の浜辺だけが明るく、弓の弦のような渚が輝いて動いていた。
遠くから見るとなだらかな砂浜に見えますが、中へ入ると、かなりの勾配です。目の前には、青い海が口を開けています。
穏やかな海ですが、遠い海面がいきなり近づいてきます。南海トラフ巨大地震が発生すると数分後には波の壁が、白い牙のように押し寄せてくるのです。
陽光が滑り込んでいて砂利の浜辺だけが明るく、弓の弦のような渚が輝いて動いていた。
遠くから見るとなだらかな砂浜に見えますが、中へ入ると、かなりの勾配です。目の前には、青い海が口を開けています。
穏やかな海ですが、遠い海面がいきなり近づいてきます。南海トラフ巨大地震が発生すると数分後には波の壁が、白い牙のように押し寄せてくるのです。
座佐の池は周囲400m程。周辺の山々から流れ出た雨水が溜まる池です。
この池が2000年前の巨大地震の津波による堆積物を残していることを、高知大学の先生らが発見しました。
この池が2000年前の巨大地震の津波による堆積物を残していることを、高知大学の先生らが発見しました。
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2000年前の巨大地震に津波の堆積物が見つかった座佐池 |
私は2013年頃、座佐の高から降りてこの池に行ったことがあります。
当時はそのことを知る由もありませんでした。海辺からこの池までの高さは5m以上ありそうです。波と一緒に押し寄せた砂がせき止めて池を作ったという話に納得です。黄色い花が群生しています。南伊勢地方の池にだけ咲く花です。
このような「せき止められてできた池」は対岸にもありました。奥に見えるのが「薄月の池」です。月がのぼるとこの池に映るのです。
当時はそのことを知る由もありませんでした。海辺からこの池までの高さは5m以上ありそうです。波と一緒に押し寄せた砂がせき止めて池を作ったという話に納得です。黄色い花が群生しています。南伊勢地方の池にだけ咲く花です。
このような「せき止められてできた池」は対岸にもありました。奥に見えるのが「薄月の池」です。月がのぼるとこの池に映るのです。
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南伊勢町「薄月の池」 |
同じような堆積湖は他にもあります。
「芦浜」です。砂浜の奥に池が見えます。
中電が執拗に原発を推進しましたが、南伊勢町古和浦の漁民たちが30年も反対闘争をつづけ、三重県民の半数以上が現発反対署名してとうとう断念させた地です。
「芦浜」です。砂浜の奥に池が見えます。
中電が執拗に原発を推進しましたが、南伊勢町古和浦の漁民たちが30年も反対闘争をつづけ、三重県民の半数以上が現発反対署名してとうとう断念させた地です。
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反原発を貫き断念させた「芦浜」 |
観光色ゼロ。芦浜にも人影ナシ。ときおりウグイスやルリカケスの泣き声がするだけ。
芦浜を眺めながら、中の一人が言いいました。
「あそこに原子力発電所ができてたら、この山に登る価値ないね」
芦浜を眺めながら、中の一人が言いいました。
「あそこに原子力発電所ができてたら、この山に登る価値ないね」
確かに。30mの津波が原発をひと飲みされることはこの写真から明らかです。
できなくてよかった。古和浦の住民、三重県民に感謝!
2.喫緊の課題は巨大地震発生の被害軽減に備えること
地震だけでなく風水害からも命を守るために防災対策と避難計画の総点検が必要です。
巨大地震に備えない理由
- 何をしていいのかわからない
- 経済的余裕がない
- 面倒、置き場所がない
- 何となく
南海トラフ巨大地震への準備
地震発生(火災を起こさない)
1分~2分(履きなれた靴を履く)
-
5分(自分のいる建物が倒壊しそうなら脱出)自分のいる場所が安全ならその場にとどまる。
-
5分~10分(危険個所を通らない)ガスの元栓を切る。電気のブレーカーを落とす(入→切)。
-
10分~数時間(助け合って避難する)
~3日(家で住めそうなら在宅で避難生活、でなければ避難所)
参考資料※津市地震防災マップ(28年版)
地震発生(火災を起こさない)
就寝中にトラックが飛び込んできたかと勘違いするような突き上げるような揺れが襲う。同時に家がきしみ始めます。今度はベッドごと一瞬宙に浮き、ガシャンと叩きつけれるような衝撃で落ちます。
即停電の暗闇の中で家具が倒れる音。頭を保護するため揺れが収まるまで布団をかぶります。枕の下敷きにしているスマホ等をたぐり寄せ、周囲を照らす。(手が真っ赤になっていて慄くかもしれません)
タンスにつっかい棒がしてあったのに下部が固定してなかったので倒れています。
揺れは中々おさまりません。かれこれもう1分以上たったように思います。これほど長い揺れは「南海トラフ巨大地震」と考えます。
1分~2分(履きなれた靴を履く)
寝室-----「ベッドごとグルグル回されているような感覚」。タンスが倒れる。枕の下に置いていたメガネケースを取り出します。揺れが収まったらベッドやソファの下の収納箱に備蓄してあった防災グッズを取り出します。一階部分は潰れるかもしれない。
割れたガラスをよけながら1階に下ります。1階で寝ていた両親の姿が見当たりません。「お父さん、お母さん無事か!」
台所------冷蔵庫が横滑り、食器戸棚から食器が飛び出し、レンジが吹っ飛んでくる。足の踏み場がないほど散乱する中、「ガスの栓を切る」とかよくいわれますが、都市ガスは震度5程度で自動停止します。自分の身の回りに目を配り、被災状況を確認する。
応接間-----窓が壊れる、人形ケースが飛び頭に当たる。テレビ・パソコンなどあらゆるものが飛んでくる。余震に注意しながら行動する。
居間------エアコンですら外れて頭の上に落ちてくる。テレビ・ラジオ・スマホなどで情報を得ようとしても即停電で映らない。スマホにラジオのアプリを入れておけばラジオとして使えます。緊急の救助要請や安否確認のため常に電源オンにしておきます。
書斎------本と一緒に書棚が倒れこんでくる。とりあえず揺れが収まるまで、頑丈な机の下に身を寄せる。
入浴中------バスタオル一枚でも巻いて脱出する。蛇腹の風呂のふたを体に巻き付けて逃げる。
すぐ屋外に飛び出す前に靴を履く。
3分(正しい情報を得る)
南海トラフ地震は東日本地震より震源地が陸側に近いので津波の到着も速い。揺れはいったん収まったようでもまた揺れることがあります。家族の安全、周辺の人の安全を確認します。
履きなれた靴を履き、懐中電灯、など避難用の備品の確認。海近くにいれば、隣近所に声を掛けて高台や避難ビルなどへ行きます。
履きなれた靴を履き、懐中電灯、など避難用の備品の確認。海近くにいれば、隣近所に声を掛けて高台や避難ビルなどへ行きます。
5分(自分のいる建物が倒壊しそうなら脱出)
慌てて外へ飛び出すと余震で瓦や窓ガラスが落ちてくる危険があります。ヘルメットをかぶります。つなマホ充電器も忘れないこと。外にでて、組の人たちと集まり、近所に声を掛け合います。ただし家がゆがむとドアがあきません。
犬は逃げないが猫は逃げる
ペットを飼っている場合はペットフードなどの避難用品をもって脱出します。犬は鎖につないだままにすると3日で亡くなります。猫は聴覚がするどく、ひげも微妙な揺れを感知するので、人より早く行動します。割れた窓や網戸を突き破って逃げるものです。
自宅の敷地内や周辺の家、人通りの少ない場所にいるので戻りやすいようにしておきます。①窓や戸を開けておく。②猫砂・エサを置く。普段から首輪に電話番号をつけておいた方がいいです。余震が収まり2週間もするとほとんどの猫が戻ってきます。
5分~10分(危険個所を通らない)
避難場所に避難を始める。状況に応じて地域のおける消火活動や救助活動に参画する。家族の安否確認、職場や学校への安否連絡。個々人がそれぞれ避難所に集まるのではなく、先ずは組内でまとまること。車で外出しょうにも、ガレージは電動式シャッターではできません。
10分~数時間(助け合って避難する)
夜中なら経験したこともない暗さです。スマホ・ガラケーの液晶画面の明かりだけを頼りに歩いてみても歩道はデコボコの場所があり、転倒する危険があります。ペットと避難。「災害、あなたとペットは大丈夫?」、避難所がペット受け入れ可能か?。
蛇口を捻っても水は一滴もでない
貯水タンクそばの西公園に設けられた給水所には、長蛇の列。やかんや鍋に汲んだ水も、自転車で家に持ち帰った頃には、こぼれて半減。一番困るのはトイレ。ある程度の水量がないと流れない。
- 箱入りペットボトル4箱(飲み水用)
- 45リットルのプラスチックバケツ2個(生活用水)
- 2リットルのペットボトル20本
- 折り畳み式の水入れ
- 運ぶための台車
~3日(家で住めそうなら在宅で避難生活、でなければ避難所)
揺れが繰り返されると車の中で寝ることになりますが、余震が怖くて眠ることができないかもしれません。ガスも水もでないことを覚悟します。お風呂、トイレも使えません。
給水所に行き列に並びます。避難所:避難者同士が助け合って避難所を運営し、一人ひとりの心身の健康を保つよう努める。
給水所に行き列に並びます。避難所:避難者同士が助け合って避難所を運営し、一人ひとりの心身の健康を保つよう努める。
スーパーではレジに行列。棚に飲み物、果物もないと思った方がいい。
「避難勧告」「自主避難」「不要不急の外出は控える」基準と対策
避難勧告;避難準備→避難勧告→避難指示。避難勧告は3種類の内2番目。
大雨・台風接近等の自然災害や原発施設の事故などで身の回りに危険を感じ、個人または家族単位で自主的に行う避難を意味します。
不要不急の外出;人によって受け取り方はまちまち。買い物に行かなくても済む人と、行かなければ食料がないという人では違います。自分で判断するものです。
震災で家族が離ればなれになったら
「明日は我が身」です。自分を守るのは自分しかいないのです。「準備していないことはできない」、これは災害対策の大原則です。実際の被害を想定した訓練をしてゆかなければなりません。
携帯は災害時にはつながらない可能性が高い。震災が起きたら形態は使えないと思った方がいい。どこでどう連絡をとりあうか家族で話し合っておくこと。
- 集合場所と帰り道の確認
- 震度6弱以上の地震の場合に稼働する災害用伝言ダイヤル171
- 被災地の方はご自宅の電話番号を市外局番からダイヤルしてください。伝言の録音再生。留守番電話のようなもの。NTTドコモ災害伝言板サービス9月の防災週間にはた
3.南海トラフ巨大地震と月との関係
インドネシアでたびたび大地震が発生しています。地震が発生する日は、どうも「満月・新月」に関係がありそうです。
満潮や干潮になるのは月の引力によるものだということは誰でも知っています。海水が引き上げるような力(潮汐力)は岩石にも及ぶと考えられてきました。わずかな力ではありますが地震のきっかけにもなるのではなでしょうか。以下の地震は潮汐が大きい時に発生しています。
- 2011.3.11 東北地方太平洋沖地震
- インドネシア・スマトラ島沖地震(M9.1)
- 2010.チリ・マウレ地震(M8.8)
巨大地震は、小さな破壊が積み重なって成長していくと考えれば、潮汐力が大きい時、連鎖的な破壊が進む可能性がないとはいえません。井出哲東京大学教授たちの研究チームが科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス」に発表
参考資料※巨大地震と月との関係
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